床下配線は
床の上で配線がごちゃごちゃしていると感じたことはありませんか?
配線同士が絡まると、引っかかって転んだり、配線からの漏電に繋がったりします。また見た目にも散らかっている印象になってしまいます。
そのようなときは、配線を床下に埋め込む電気工事があります。主にオフィスでは多く取り入れられている電気工事で、フロアダクト工事とも呼ばれます。
床下へ電源を配線する目的で行われる電気工事で、300V以下の電流に限った電気工事です。また、電線以外に、電話線やLANの配線なども床下に埋め込めます。
床下配線をすると、見た目がすっきりするだけではなく、安全性にも配慮できます。
今回は、配線を床下に埋め込む床下配線の電気工事について、詳しく解説します。
オフィスでは
オフィスで取り入れられる床下配線は、フリーアクセスフロアと呼ばれることがあります。一般家庭ではあまり聞き慣れない言葉かもしれません。
パソコンや電話などの電子・通信機器などの配線を床下に埋め込んでいるフロアのことで、空調の配管や配線などを埋め込んでいる場合にも、フリーアクセスフロアと呼ばれることがあります。
また、人が歩く床と、配線が埋め込んである床が二重になっていることから二重床とも呼ばれます。
床下配線が施工されている部分にアクセスが可能であり、床下配線を施工することで、オフィスでの作業をスムーズにしたり、配線の安全を確保したりするなど、最近では多くのオフィスにとってなくてはならないものになりました。
特徴とメリット
家庭やオフィスでは、一人1台パソコンを所有することは当たり前の時代かもしれません。しかし、プリンターやスキャナー、電話機は共有していたり、これらの電子機器以外にも配線を必要とする電化製品を使っていたりする場合がほとんどです。
そのため、機器の周りやフロアは、配線が露出していることが少なくありません。
配線が露出していると、コードに引っかかって転んでしまったり、引っかかった拍子に電子機器を落として壊したりしてしまうおそれもあります。また配線同士が絡み合ってしまうことも多いです。
これらを解決するのが、床下配線の電気工事です。
床下配線の電気工事をすると、配線に気をつけながら歩く必要がなくなり、またコードの位置を常に考えながら作業せずに済むというメリットがあります。
オフィスにとって、ストレスフリーであることは、働くうえで重要なポイントの1つです。それを、床下配線の電気工事が実現するのです。
種類
オフィスに取り入れる床下配線の電気工事には、種類があります。ここでは、床下配線の電気工事の種類や方法について紹介しましょう。
構成方法
パネルを支柱などで支え、床下に配線を作る方法がパネル工法です。床下に埋め込む配線が多い場合や、電気配線以外の配線を床下に埋め込む場合に用いられます。
溝構法はパネルとパネルの間隔を作り、床上げする方法です。配線できる空間を広げ、パネルとカバーの高さを同じにした蓋をすることで床を作る方法です。
これらに使われるパネルの種類はさまざまで、床下に埋め込む配線や、床下の空間の広さ、状態などによって適切なものを選ぶ必要があります。
パネル素材
軽いうえに強度もあるスチールフロアパネルは、パネル素材として主に使われています
スチールフロアパネルには中空と充鎮などの種類があります。
どのような素材を使うかによって、費用も異なります。オフィスによって適した素材を選ぶだけではなく、環境への配慮も忘れないようにしましょう。
また、素材によって荷重が異なります。どのような機材が置かれるか、またどの程度の人が往来することが予想されるかなどによって、パネル素材を選びましょう。
重さを分散させたり、重くなり過ぎるものの設置を避けたりするなど、必要な対応を検討することも大切です。
床下に配線を埋め込む床下配線は、フロアの構造によって、必要な電気工事も異なります。それぞれ適したものを選ぶようにしましょう。
家の床下配線スペースについて
オフィスでの床下配線が可能であれば、一般的な住宅でも床下配線は可能ではないかと思う人も多いでしょう。一般的な住宅でも床下配線はできます。
しかし、一般的な住宅で床下配線をする場合には、条件があるため、注意しましょう。
一般的な住宅で床下配線をするときの条件は
・床下に入れる構造である
・床下に移動できるスペースと高さがある
などが、最低限必要です。
床下配線の電気工事は、単に、配線を床下に埋め込んでしまえば良いというわけではありません。床下配線を可能にするためには、配線を設置するなどの作業を行わなければならないため、十分なスペースが必要なのです。
床下には何もないと思っていても、給排水管や空調配管などが設置されている場合があります。これらの配管を傷つけてしまうと、暮らしに欠かせない供給を止めたり、建物を傷めたりする可能性があります。
このような事態を避けるためにも、一般的な住宅で床下配線の電気工事をするときには、まず専門の業者に床下配線が可能であるかを診断してもらいましょう。
電気工事には資格が必要
床下配線に限らず、電気工事には、電気工事士という国家資格が必要です。
専門の資格がない人が、勝手に電気工事をすることはできません。法律に違反するだけではなく、感電や漏電、火災の原因になるためやめましょう。
特に床下配線の電気工事は、狭いスペースでの作業であり、専門の知識に基づいた技術が必要です。電気配線を床下に埋め込めば完了するというものではないため、床下配線をするときには、必ず専門の業者に依頼するようにしましょう。
まとめ
電気配線が床の上にあると、ごちゃごちゃした印象になるだけではなく、引っかかって転んだり、コードが絡まって漏電の原因になったりして危険です。
これらを避ける方法に、床下配線の電気工事があります。床下配線の電気工事を行うと、配線を床の下に埋め込めるため、すっきりとした印象になります。
ただし、床下配線には、作業スペースや専門の知識と技術が必要で、すでに床下に配管などがある場合には、十分な注意が必要です。
配線をすっきりさせたいけれど、床下配線の電気工事が可能かどうかわからないときには、専門の業者に相談してみてはいかがでしょうか。